エミールのプロ家庭教師が、生徒さんへの思いや仕事への姿勢などを綴ったコラムです。
是非、ご一読ください。
「スピードも受験のうち」
「テストの最中は焦ってできなかったけど、家でゆっくり考えたら簡単にわかった」答案が返された後によく聞くセリフです。中には「本当はわかっていたのだから、今回のテストは60点ではなく、本当は80点だ」と勝手な理論を振りかざす者もいます。しかし、これは負け惜しみの言い訳以外の何物でもありません。テストは制限時間内に勝負を決めるもの。たっぷり時間をかけマイペースで解答する、というシチュエーションは現実離れしています。こと受験に関しては、スピーディーに正確に答えられる人間が優秀であるのは言うまでもありません。そして、優秀な人間から順番に合格が決まるのも当然のことです。
特に国語のテストで見受けられますが、問題の文章を読むのに時間がかかり、すべての設問に当たりきれない生徒がいます。仮に全問解答できたとしても、そのうち幾つかは間違うのが普通ですから、全問に目が通せないことは、大きなビハインドを背負うことにになります。つまり、速く且つ正確さを損なわずに読むことは、受験生にとって必要不可欠なスキルなのです。したがって、読むスピードが遅い生徒は、意識を持って何回も速読の練習を繰り返す必要があります。志望校レベルの問題に間に合うようになるまで1年以上かかった生徒もいましたが、これは絶対避けられない練習です。
また、「テストは時間との勝負」と考える上で「一点過大集中」は要注意事項です。生徒には「考え込み過ぎるな 自分にとってやり辛い問題はどんどん後に回せ」と注意を与えます。そして、その基準に3分間という客観的な制限を設定します。つまり、「3分間集中して考えても先が見えない時は、一旦保留して次に進め」ということです。
出題者は、ピンポイントに引っ掛かって全体を見渡せない者を振り落とす算段で、敢えて複雑な問題を潜り込ませる場合があります。そして、複雑な問題だからこそ、敢えて配点を高く設定しない場合があります。それほど高くもない配点の問題に時間を取られ、すべての設問に当たれないことほど、テストでもったいないことはありません。
テストは「解けるか、知っているか」を試すと同時に、制限時間内に仕上げるスピードを試すものです。受験生たる者、そのことをしっかり肝に銘じなければなりません。
現実を見据えた先生がいます。 エミールの家庭教師
2017-06-21