2017-10-30
 エミールのプロ家庭教師が、生徒さんへの思いや仕事への姿勢を綴ったコラムです。
 是非、ご一読ください。

 「志望校からのメッセージ」
 「志望校の過去入試問題(以下 過去問)を解きなさい。」われわれ家庭教師も塾・予備校の先生も、受験生には判で押したようにこう言います。すると、中には「過去問を解くことに意味はあるのでしょうか?全く同じ問題が出題されるわけではないし、出題傾向がガラッと変わることもあるし…」と疑問を抱く生徒がいます。確かに言う通りです。全く同じ出題がなされることは、100%あり得ません。しかし、過去問には志望校から受験生への重要なメッセージが込められているのです。
 入試を学校の立場から考えてみましょう。学校側が最も来てほしいのは「うちの学校が第一志望」の受験生です。なぜなら、憧れの学校に来た生徒とそうでない生徒とでは、入学後の意気込みが全然違うからです。つまり、どの学校も「この学校に行きたい!」と思っている受験生を合格させてやりたいのです。当然何らかの配慮をしたくなり、意欲的な受験生がどのような行動を取るかを考えます。そこで、「この学校に行きたい!→過去問を調べる、解く、研究する」そんな行動に出る受験生に有利な出題をしようとします。
 入試は1点を争う勝負ですが、出題範囲やレベルに上限はありませんから、全て完璧に準備して臨むことは不可能です。だからこそ、志望校に合格したければ過去問を解かなければなりません。過去問は、「確率の問題は毎年出題する」「文法の問題は出題したことがない」といった受験生へのメッセージを発信しています。メッセージをキャッチした受験生は、どこを勉強すべきで、どこを勉強しなくてもよいかがわかります。言い換えれば、学校側は受験生の学校への思い入れを、過去問を解いているかどうかで量ろうとしているのです。
 しかも、受験生の学校への思い入れは、偏差値だけではわかりません。模擬試験等でどんなに高い偏差値を出している受験生であっても、突き抜けた実力を持っていない限り、全ての学校に合格することはできません。そのことを百も承知の学校側は、それぞれ個性ある出題をします。中にはとんでもない難問・奇問を毎年出題する学校があります。過去問を調べ、解き、研究した受験生なら、そんな問題は「捨てるべき問題」として黙殺するでしょう。しかし、そうでない受験生にとっては、「面食らってペースを乱される問題」でしかありません。これも重要なメッセージのひとつです。
 受験生たる者、過去問を充分に研究し、入試当日は学校への思い入れを存分に見せつけてやりましょう。


 メッセージを見逃さない先生がいます。       エミールの家庭教師



ダウンロード